連続上映会 【2】 「アフリカの音楽と芸能」

ECフィルムには、世界各地の音楽や芸能の記録が豊富にある。その中でも特に、アフリカの伝統音楽の記録は、人間の音楽行為の多様性、可能性を示し、西洋近代的な音楽の認識の在り方を問い直させる貴重な資料である。
ECの記録対象となったアフリカの音楽の多くが今日、消滅ないしは、大きな変容の過程にあることを踏まえると、これらのフィルムの重要性は、今後ますます高まってくるであろう。今回は、ECフィルムのアプローチとの比較の観点から、日本の気鋭の映像人類学者2人川瀬慈と分藤大翼によるアフリカの音楽、芸能の映像作品(エチオピアの吟遊詩人のパフォーマンス、カメルーンBakaピグミーの音世界)を上映する。ゲストに川瀬、音楽評論家の北中正和、人類学・神話学者の石倉敏明を迎え、アフリカ音楽の記録に対する様々なアプローチ、そしてアフリカ音楽のかぎりない創造性について語り合う。

■日時 : 2013年2月26日(火)18:30 open/19:00 start

■会場 : Space&Cafeポレポレ坐 (東中野)

■料金 : 予約1,000円/当日1,500円(+要ワンドリンクオーダー)

■予約 : 03-3227-1405 (ポレポレタイムス社)

Email : event@polepoletimes.jp

上映プログラム

・バウレ族(西アフリカ 象牙海岸) 楽弓の演奏/1968年/4'30"
・ダン族(西アフリカ 象牙海岸)軍楽オーケストラ"トゥル"/1968年/6'30"
・エウェ族 (西アフリカ ダホメ) アボメーの宮廷の王妃たちの踊/1958年/5'30"
・トランスダンスを伴う病気治療 グ/ウィ - カラハリ砂漠 その2/1976年/9'00"
*民族名、撮影地名には、現在では用いられない名称がございますが、製作当時の表記を尊重しました。

〈特別上映〉

   分藤大翼作品(カメルーン、バカ・ピグミー、作品集「森の音」より)
     イェリ / 水太鼓

   川瀬慈作品(エチオピアの吟遊詩人)
     ラリベロッチ‐終わりなき祝福を生きる / ドゥドゥイエ

ゲスト

川瀬慈 (映像人類学、国立民族学博物館)

映像人類学研究者、国立民族学博物館助教。エチオピアの音楽・芸能をはじめとするアフリカの無形文化に関する人類学研究、および民族誌映画制作に取 り組む。代表作に『ラリベロッチ』『精霊の馬』『Room 11, Ethiopia Hotel』(イタリア・サルデーニャ国際民族誌映画祭にて「最も革新的な映画賞」受賞)など。

 

北中正和(音楽評論家)

  『ニューミュージック・マガジン』編集部を経て音楽評論家に。

日本のポップスや世界各地のルーツ色ある音楽を紹介している。

著書に『ロック』『にほんのうた』『ギターは日本の音楽をどう変えたか』『毎日ワールド・ミュージック』ほか多数。NHKFM「ワールド・ミュージック・タイム」DJ

東京音楽大学非常勤講師(ポピュラー音楽史担当)

 

石倉敏明(芸術人類学、明治大学野生の科学研究所)

明 治大学野生の科学研究所研究員(人類学)。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、2013年4月より秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻講師就任予 定。共著に『折形デザイン研究所の新・包結図説』、『人と動物の人類学(来たるべき人類学)』、高木正勝によるCD付属の神話集『タイ・レイ・タイ・リオ 紬記』編纂。現在雑誌『なごみ』に田附勝との旅の記録「野生めぐり」を連載中。