連続上映会 【8】 「木のつくる暮らし」

木は人類の文化を支える最も重要な素材であり、資源だった。石器時代、青銅器時代、鉄器時代というが、それらの刃物の最大の用途は木を切り、槍の柄や弓や焚き木、食器や楽器、家屋や舟など、さまざまな道具を創り出すことにあった。今回お届けする映像では、臼を作るために木を切り倒した斧刃が、彫る作業では鑿(のみ)に変わる。作業の姿勢や火の扱いにも注目したい。アマゾンに残る織物以前の樹皮の布。北斎の浮世絵「遠江の木挽」にそっくりなモロッコの板作り。自然エネルギーの威力と可能性を再発見できる北欧の水車鋸その他、木の香りとぬくもりが伝わってきそうな楽しい映像ばかり。会場に関連する道具や木を持ち込んで、簡単な実演もまじえながら、木のある暮らしを考えてみたい。

■日時 : 2014年12月5日(金)18:30 open/19:00 start

■会場 : Space&Cafeポレポレ坐 (東中野)

■料金 : 予約1,500円/当日2,000円(ワンドリンク付き)

■予約 : 03-3227-1405 (ポレポレタイムス社)

Email : event@polepoletimes.jp

上映プログラム

【 ECフィルムより 】

・アイト・ハディドゥ族(モロッコ アトラス高地) 2人挽き鋸での板の切断/1970

・グラウビュンデン(スイス東部) 木製バケツづくり/1943

・西ノルウェー 水車鋸での板づくり/1953

・トゥクナ族(ブラジル ソリモエス河上流域) 樹皮布づくり/1970

・コ・ブッシュマン(南アフリカ カラハリ砂漠) 木臼づくり/1972

・バリ島 カランガッサム県イセーのリズミカルな米搗き/1973

 

民族名、撮影地名には、現在では用いられない名称がございますが、製作当時の表記を尊重しました。

「巣別れ前の作業(藁で編んだ巣の用意など)」/14'00"

ゲスト

関根秀樹 (せきね ひでき)

1960年福島県生まれ。文系・理系・芸術系の多分野を気ままに往還するフリーの研究者&もの書き&もの作り。非常勤講師として和光大学では「火の人間史」と「音響人類学」。桑沢デザイン研究所ではプロダクトデザイン「手で考える道具と技術」。多摩美術大学では日本画・油画の「絵具実習」を担当。理系・文系・芸術系・身体系まで研究分野は幅広く、各地でさまざまなワークショップや実験講座を展開。主な著書に『焚き火大全』(創森社/編著)、『原始生活百科』『縄文生活図鑑』『新版 民族楽器をつくる』(以上創和出版)、『縄文人になる!』(山と渓谷社)、『たくさんのふしぎ 火』(福音館書店)、『宮沢賢治キーワード図鑑』(平凡社/共著)、『鉱石キッズ』(小学館)、『刃物大全』(共著/ワールドフォトプレス)などがある。キリモミ式発火法で火種まで5秒の「火起こし世界チャンピオン」で、ネイティブアメリカンの長老たちに火起こしを教えたこともある。人間学研究所研究員(教育人間学)。日本口琴協会会員。和光大学空手部顧問。