連続上映会 【5】 「仮面」

仮面は、人間が作り出す造形物の中でも特別な不思議さ、謎、魅力を帯びている。人間に用いられる「仮の面」もあれば、人間という「仮の胴」を用いて踊る仮面もある。異界のイメージを体現する仮面もあれば、異界に働きかけるための回路となる仮面もある。

ECフィルムは、我々が通常「仮面」と聞いて思い浮かべるイメージを大きく裏切る実に様々な仮面の姿を収めている。今回はECフィルムに加えて、国立民族学博物館で作成された映像資料、そして実際の仮面舞踏のデモンストレーションをお届けします。

アフリカ、ヨーロッパ、東南アジア、日本。各地の仮面を比較しながら「仮面とは何か」と問うのもよし、多彩な表情の仮面にふれ人間の想像力の豊かさに想いを馳せるのもよし、仮面のもたらす非日常的な空気に身をゆだねるのもよし。一緒に仮面と戯れよう!

■日時 : 2013年10月31日(木)18:30 open/19:00 start

■会場 : Space&Cafeポレポレ坐 (東中野)

■料金 : 予約1,500円/当日2,000円(ワンドリンク付)

■予約 : 03-3227-1405 (ポレポレタイムス社)

Email : event@polepoletimes.jp

 

【協力】
日本文化研究機構連携研究「映像による芸能の民族誌の人間文化資源的活用」

上映プログラム

【ECフィルムより】
ティカール族(赤道アフリカ カメルーン高原)「夜の仮面の登場」(1977年)

中央ヨーロッパ チロル「クラウバウフ行進の巨大な仮面(行動研究)」(1966年)
バウレ族(西アフリカ 象牙海岸)

「クラウアクロの仮面舞踏"グバグバ" 赤、黒、白の仮面、蟻の仮面」(1968年)

クラホ族(ブラジル トスカンティンス地方)

「"コクリト"仮面編み」/「"コクリト"仮面舞踏」(1959年)

 

【特別上映】

「トペン・チルボン 西ジャワの仮面舞踏」/国立民族学博物館制作

「鹿児島硫黄島の八朔太鼓踊りとメンドン」/国立民族学博物館制作

「バロンに続け!バリ島の子どもたちによる門付け」

ゲスト

福岡正太 (ふくおか しょうた)

民族学博物館文化資源研究センター准教授。民族音楽学専攻。インドネシア、西ジャワの音楽と芸能を研究。東京で仮面舞踏トペン・チルボンの演奏活動なども行った。近年は芸能の映像民族誌の可能性について関心をもち、鹿児島県硫黄島などでも芸能の撮影を進めている。関連する著作に『ワヤンの広場~東南アジアの人形と仮面』(共著、千里文化財団/2004年)など。

 

吉田ゆか子(よしだ ゆかこ)

国立民族学博物館 機関研究員。専攻は文化人類学。バリ島を主なフィールドとし、2006年より仮面の芸能や、仮面と関連する儀礼実践を研究している。調査中に自らも仮面舞踏劇トペンを学び、現地の儀礼で奉納に参加している。主な著作に、「仮の面と仮の胴」(『文化人類学』76(1)/2011)、「仮面が芸能を育む」(床呂郁哉・河合香吏編『ものの人類学』/2011)など。