EC連続上映会第三回「かご編み」は、上映フィルムに合わせて、ゲストの本間さんの実物のかごコレクションも交えて見せていただき、大盛況のうちに終わりました。
ゲストのお二人、会場からコメントを下さった写真家の小松義夫さん・衛子さんご夫妻、アマゾンの森林の写真などをお持ち下さった文化地理学研究者の星川真樹さんはじめ、会場に足を運んでいただいたみなさま、ありがとうございました。
上映会の後にいただいた感想を、いくつかご紹介したいと思います。
先日は、なかなか良い時間を過ごさせていただきました。
ああいうフィルムを見ながら頭の中に去来するイメージは、隠れていた細胞を活性化させることでした。
(小松義夫さん)
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今まで興味、というか意識もしてなかった『かご』が…………大変なことになってました。こんなに、かごって生活に密着していて、地域性があって、工夫があって、文化もあって、美しくて!あービックリしました。
私の生活で使うものを自分の時間の中でつくるって、確かに、うん、当たり前か!自分でかごを作ろうなんて思ったことなかったです。
売ってるものを買う、というところで意識がストップしてました。このストップしているものが、たくさん集まって、原発ができたのかな。
かごいいなー、私も繊維をとってつくりたくなりました。あれから、まだ、美しい「ものつくる手」の動きと踊るカゴがふ わふわと頭の中を去来しています。
(佐久間慧さん)
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今回の『かご編み』の上映会で、『手作り』ということについて、深く考えさせられた。昔の人々は、家具も服も娯楽に使う道具も、すべて『手作り』で作っていたし、機械なんて無くても人間が生きていた時代もあったという、当たり前のことに気がついた。
私自身、メールやインターネットでコミュニケーションを取る時代に生まれ、どこかウンザリしている部分がある。すぐに連絡ができるメール、常に友人が何をしているか監視できる携帯アプリ、こんな切迫した世の中にウンザリする。
私は本が大好きで、尊敬する作家がいるのだが、その作家に私は「感動した」という手紙を送った。 数日後、その作家から直筆の返事の手紙が届いた。
私は胸がドキドキして、飛び上がって喜んだ。手紙というのは、こんなにも暖かく嬉しいものだということを知った。
時代が進み、世の中から『手作り』が無くなれば無くなるほど、 『手作り』は重要で貴重なものになっていく。人間が『手作り』を消そうとすればするほど、人間は『手作り』を求めるんだ。
矛盾しているけど、矛盾していない。矛盾しているから面白い。
これからも、『手作り』に関わる活動を続けていって欲しい。
(石田祐規さん)
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帰り道、夜桜を眺めながら、繰り返し見たたくさんの美しい手の動きがまぶたの裏で重なって、残像となり気持ちが静まっていくような不思議な夜でした。
そして、さらにはベラルーシで見つめたバーバやジジ達の手、中国で見つめたお母さんや長老達の働く手、東北の切り紙を切る手、子どもの頃見た畳屋さんや大工さんの手…が重なっていきました。
今回のテーマはカゴでしたが、「手」を見たなあ。そんなふうに思いました。
直感的に始めた上映会ですが、回を重ねるごとに、みんなであの映像を見ることの意味がじわじわと分かってきたように思います。
(下中菜穂、EC上映会企画者・第三回司会者)
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